Q. 皆様の会社ではロイヤルティを網羅的に検証されていますか?
①製造技術などの技術に対するロイヤルティ
②商標権などのグローバルブランドに対するロイヤルティ
③販売網などの営業ノウハウに対するロイヤルティ
(移転価格文書を作成済の)多くの企業では、①と②のロイヤルティについては既に検証されていますが、③の営業ロイヤルティが十分に検証されているとは言いづらい状況にあります。諸国の移転価格ガイドラインや無形資産の規定を確認していると、近年では営業ロイヤルティもロイヤルティの範疇に入っていますので、移転価格ドキュメントを作成する際には十分に検証する必要があります(商社であっても、親会社のクライアントリストを利用している場合や、日本において新規顧客開拓をしている場合、見積書の作成を親会社主導で行っている場合などは、日本の税務当局からロイヤルティを収受するようにと指摘される可能性があるため注意が必要です)。
Q. 網羅的に検証されたロイヤルティの料率は何%に設定していますか?
タイにおけるロイヤルティ料率は、「3~5%」が良いようです。・・・とこのように書籍やネットに記載されており、タイの顧問会計事務所に聞いても同様の返事が来ます。そのために多くの日系企業のロイヤルティ契約書をみると、「ロイヤルティ料率は売上高の3%とする」と言うような文言のみで記載されています。
5年前までは、上場企業を含めた多くの日系企業の書き方がこのような書き方でしたが、今や上場企業において、こんな内容でロイヤルティ契約を巻いているところはありません。中小企業だけが取り残されている状況です。
今までは、移転価格税制が存在しなかったためにロイヤルティの料率について、赤字企業のロイヤルティの支払い以外の指摘をあまり聞くことがありませんでした(赤字企業は超過利益が存在しないと言い切れるため)。また、多くの書籍やネット、顧問会計事務所が3~5%と同様の話を日系企業に行っていたため、図らずにもマーケットプライスとして3~5%が定着していました(客観性の高いマーケットアプローチによる料率となっていた)。
今後は、移転価格文書を残して、ロイヤルティ料率の算定根拠を示さなければなりません。例え税務当局からロイヤルティの料率の指摘をされたとしても、客観的なポリシーとしてロイヤルティ料率を設定していると反証しなければなりません。この場合において、「他の日系企業も3~5%と聞いている」では、客観的な反証の材料とならないので、今後は数字に意味を持たせるロイヤルティ料率を設定し、契約を巻くことが必要です。
※更に詳しいロイヤルティの内容については、次の「移転価格税制改正内容」のP40からをご覧ください。
↓↓↓こちらをクリックしてください↓↓↓

ブログ内容が貴社の実態に合わせてどのように取り扱われるかが不明な場合など、お困りのことがございましたら下記メールアドレスまでお問合せ下さい。
info@bridgenote.asia
※本ブログに記載の内容は、作成時点で得られる法律、実務上の情報をもとに作成しておりますが、本ブログの閲覧や情報収集については、情報が利用者ご自身の状況に適合するものか否か、ご自身の責任において行なっていただきますようお願いいたします。 本ブログに関して発生トラブル、およびそれが原因で発生した損失や損害について、Bridge Note (Thailand) Co., Ltd及び執筆者個人.は一切の責任を負いかねます。また、本ブログは一部で外部サイトへのリンクを含んでいますが、リンクする第三者のサイトの個人情報保護の取り扱いや、そのサイトの内容に関して一切責任を負いませんのであらかじめご了承ください。